青城SS | ナノ
「ねぇー岩泉。京谷が私と岩泉が付き合ってるって思ってたんだけど。笑えるー」
「おう」
「え、なに? 岩泉はまんざらでもない感じ?」
「おう」
「うそー。付き合っちゃう?」
「おう」
「……岩泉、その手に持っているものは何?」
「……ジンジャーエール」
「ちょっと貸して。……違うじゃん。これシャンディガフじゃん。酒だよ。ちょっとー? 岩泉に酒の飲ませたの誰? この人アルコールに関しては最弱なの知ってるでしょ? あ、おい! 今目そらしたヤツこっち来な! お前だお前! 花巻コノヤロウ!」
「……及川」
「え、なに?」
「及川が」
「及川今日来てないじゃん。絶対花巻でしょ岩泉に酒飲まそうとするヤツなんて」
「代表に選ばれた」
「あぁ、ね。アルゼンチン代表ね。すごいっていうか、さすがっていうか、なんていうかなぁ。アレだよね。及川だもんなぁ、納得ってのが近くない?」
「……まあ」
「いや、めちゃくちゃ努力したんだろうし、苦労も絶対あったんだろうけど、及川はね、そういうヤツですよねって」
「あぁ」
「まあ、これでウシワカと影山へこませれるんじゃん?」
「おー」
「てか、私からしたら岩泉も大概よ? 弟子入りする、海外に行くって! 脳筋岩泉が海外って、心配したんだけど?」
「脳筋ってなんだよ」
「いや、なんかもう語学的な心配がさ。でも脳筋語って万国共通だったのかな」
「……ミョウジ、お前酔ってんのか」
「いや、酔ってるのは岩泉、あなた様ね?」
「酔ってねぇ」
「はいはい。いやーでもさ、及川にしろ岩泉にしろ、私の仲間たちは凄いですわ。自分の道貫いてさ。なんかこう、そんな人たちと高校三年共にしてたと思うとさ、あの日々って人生の財産だよなーって最近思うわけ」
「……」
「いや、なんか言ってよ。語っちゃった私、めっちゃはずいわ」
「……」
「ねえ、岩泉……、え? 泣いてんの? え? 嘘。ちょっと、花巻! 花巻こっち来て! 写真! 写真撮って!」



「何で岩泉泣いてんの?」
「花巻が酒飲ますからだよ! いいから写真! 及川に送ろ」
「うちのマネージャー鬼だ」
「鬼じゃない。だってこの後岩泉のこと私持ち帰るからね? たぶん一時間もしないうちにこの人寝るよ?」
「もういい加減付き合えよ」
「そんで朝起きたら岩泉が牛丼奢ってくれんの。それがいつもの流れ」
「朝から牛丼って、キミタチ相変わらず胃袋が強い」
「いいからほら、写真」
「はいはい。とるぞー」

付き合ってません。

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